3D

3D Universal English Institute（以下、3D）はセブシティ郊外の商業地区にある日本人経営の中規模校である。2002年に韓国人経営者によって開設され、日韓の学生を中心に人気を集めてきたが、2013年に現在の経営者が買収し日本人経営の学校となった。以前と比べると日本人比率が高くなったが、他の日本人経営の学校と比べると比較的低い水準である。

授業はスピーキングの強化に力を入れている。フィリピンに来て文法知識などを新たに追加するのではなく、今持っている知識を最大限に活用して話せるようになることに重点を置いている。文法知識の習得や単語量の増加などのインプット作業は日本にいる間にできるだけ済ませておいて、フィリピンではアウトプットに専念できるようにして欲しいというスタンスである。

このため、TOEICコースなどを除いてマンツーマンレッスンは学生から特に要望がない限りすべてスピーキング強化の内容にしている。このことにより教師がスピーキングを多く教えることになり、結果としてスピーキングを教えるのが上手い教師が育つようになっているとのこと。とにかく話せるようになりたいという留学希望者には良い環境と言える。

3Dの特長として学生のニーズに応じた授業内容の変更、コースの新設を積極的に行っている。例えば、以前は無料授業はIELTS対策2コマだった。しかしIELTSを受験しない学生も多いため、1コマをスピーキング強化につながるディスカッションにし、もう1コマは気分転換と運動不足解消の狙いで英語を使ったダンスレッスンとした。

2014年3月にはTOEICコースとIELTSコースを新設し、ESLコースだけだった従来よりも選択肢を増した。特にTOEICコースはTOEICスコア950点以上の教師を選抜し、TOEIC指導のトレーニングを施した上で授業を担当させているとのこと。

2014年6月にはMan to ManコースとBUSINESSコースを新設した。Man to Manコースは当初は1日7コマだったが、学生の要望を受けて後に5コマコースと6コマコースを新設した。BUSINESSコースではフィリピン留学のメリットである手頃な費用をキープしながら基本的なビジネス英語を学ぶことができる。高度なビジネス英語はまだ無理だが、初歩的なものにチャレンジしたいという希望者に適している。

2016年10月にはサバイバル英語や観光英語を学ぶ世界一周・ワーホリ英語コースも開設した。

2016年12月に開設したセミスパルタコースは、従来のESL Courseに平日毎朝の単語テストと日曜から木曜まで毎日2時間の強制自習を付けた。単語テストは学生に勝手にやらせて放ったらかしではなく、点数が悪いと週末外出禁止などのペナルティを付けて勉強せざるを得ないようにしている。

強制自習は24時間利用可能な自習室にセミスパルタコースの学生1人に1つ専用の机を用意し、夜9～11時までを強制参加の自習時間としている。また、門限や規則も普通のコースより厳しくし、ついつい遊んでしまうという学生でも厳しい環境で強制的になまけを許されることなく勉強できるようにしている。

ただし、自習開始までは外出可能であり、週末の門限は普通のコースと同じなので、完全にガッチガチというわけではない。なお、マンツーマンコースやTOEICコースも強制自習を付けてセミスパルタコースにすることができる。

フィリピンにはしっかり勉強に来て欲しいという考え方であり、セブの学校にありがちなマリンリゾートやアクティビティなどの魅力は打ち出していない。また、他の日系の学校によくある食事や生活面の快適さも強調していない。あくまでも勉強を全面に出している。このためか、まじめに勉強する学生が多く集まっているとのこと。

学校と寮がショッピングモールに隣接した建物の中にあるため、買い物や外食など非常に便利な立地にある。タクシーで10分もかからないところに日本料理店も複数あるため、留学中の生活で不便を感じることは少ないだろう。